社会学者が批判を受けるのは、観察対象である社会の構成員としての民衆から見た現象と、社会学者の理論に食い違いがあるからだろう。理論を構築するのはプロの為せる技であっても、現象を観察するのにそれほどの専門性は必要ない。雷が「目の前に落ちた」という現象は、子供でも見ればわかる。
理論と現象が食い違うことはよくあることだし、それ自体が研究の最先端を走っていることの証明でもある。それ自体は別に学問の権威を貶めるものでは決してない。社会学の権威を貶めているのは、当事者である民衆の観察を無碍にして、「俺の理論が正しいのだから観察が間違っているに決まっている」と言って憚らない点にあるだろう。
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