うちの話をすると、
癌で闘病中だった父親に対して、私も「頑張れ、まだまだ長生きしてよ」と励ましていたが、
「いや、もうしんどい」という父の言葉を聞いて、父の死を受け入れるようになった。
父はまだ元気な時から、延命治療はしないでほしいと言っていたので、
それからは、家族が交代して、父と共にお迎えが来るのを待つようになった。
特に会話で盛り上がることもなく、ただひたすら待った。
近くを走る電車の音を聞きながら、ひたすら待った。
こうして、ただひたすら待つしかないのは、出産にも似ているなと思った。
ようやくお迎えが来た時は、心の底から
と思えたね。
人一人が生きていること自体に社会的な意味はないが、その人がどう生きるかはその人にとって意味がある。
私も、父のように、時が来たら延命治療はせずに死を受け入れたい。
家族にも、早めにそう伝えるつもりだ。
父は最後にそうすることを教えてくれた。
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