2018-11-16

からもう十年ほど前になるだろうか。

進研ゼミ販促漫画が母に送られてきた。

【母の名】ちゃん保護者の方へと宛てられていたが

その実、母はすでに保護者となっていた。

最初届いた時は、そそっかしいねぇと笑ったものだった。

おそらく何かの名簿に載ってしまったのだろう。

そしてその間違った情報を元に送られてきているのだろう。

ここで白状するが、

母の名前と、年齢を偽ってアンケート懸賞に送っていたのは私だ。

さてこれっきりかと思われたダイレクトメールはしかし、

期替わり、年度替わりになると、必ずと言っていいほど

母のもとに届けられ、また来たよ~と、笑いあったものだった。

そのうち私は家を出、一人暮らしをするにつれ

そんなことは忘れてしまっていた。

しかし、ついこの間実家に帰った所、玄関に置かれた一通の封書を見つけた。

Z会が母に宛てた、入試対策案内のダイレクトメールだった。

私がそれを忘れていた間にも、それはずっと母の元に届き続けており

届く内容は、その時と共に成長していたのだ。

感慨深いというか、執念深いというか。

名簿屋の、そのリストの中に生きる母は、今春大学生になる。

  • 男名にもみえる女児にとどく鎧兜DM 女にみえる男児に届く成人式振袖 まあいいよ多様性だから欲しいひともいるかもだし、 でも立派なだけこの業者は広告費分ぼったくりだろーなとう...

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