2018-01-26

今夜も、妖怪たらればが来た。

こっそり近づいてきて、耳元で、たらればたられば囁いてくる。

 

例えば、君の父親が働く人だったら。

君はもっと違った価値観を持って育っただろうか。

 

例えば、君の弟が元ひきこもりじゃなかったら。

あんな苦労ばかりだった時間の代わりに、どんな時間を過ごすことができたんだろうね。

 

例えば、君のおじいさんが借金連帯保証人になった親友に逃げられていなければ。

親戚達はずっと集まって、みんなで今も年に何度も宴会していたかもしれないね

おじいさんもおばあさんも、あの借金に殺されたようなもんじゃいか

すべてを清算して、生活保護生活をはじめた途端、ふたりとも続けざまに死んでいった。

まだ60代だったのにね。

 

例えば、君が弟に包丁で刺されてなければ。

君はかすり傷だったから平気だと許してるけど、今も夢に出るんだろう。

 

例えば、働き者のお父さんと、優しいお母さん、殴ってこない弟だったら。

どんな人生だったんだろう。

君はきっと、摂食障害にもならなかったし、あの異様な肌荒れもなかっただろうし、

過呼吸がくせになることもなかっただろうし、きっと鬱病にもならなかったよ。 

 

 

うるさいな。どっかいけ。

  • さぞ、他人の事など思いやれない最悪な人間だっただろうね

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん