これはもうスターがアホほど付くに違いないと思える冴えたジョークだった。投稿後読み返してニヤニヤしていた。でもスターは付かない。前後のコメントにはちらほらスターが目立ってきた。記事は新着に載り、ホットエントリーにもなった。ブコメ欄は大盛り上がりだ。でも俺のにはぜーんぜんスターはつかない。俺のを表面だけパクったネタが出てきた。それにはスターがつく。いっこだけのスター。俺のにはそんなのもつかない。
投稿から1日が過ぎた。記事はホットエントリーからは外れたもののまだまだ勢いがある。俺のブコメにはもはや何の勢いも感じられない。すべったのだ。俺のセンスとその時に集った奴らのセンスが違い過ぎたのだ。いいさ。負けを認めよう。でもいつかお前らにもこのジョークの面白さがわかる日が来るぞ!そう強がるくらいしかできなかった。
3週間が過ぎた。悔しいというより空しい。もうどうでもいい。そんなときひょっこり右上が赤くなっている。あのブコメにスターが付いたのだ。でもあのブコメに対する俺の情熱はもうないのだ。うざい、それだけしか思わなかった。思い出させられて不快ですらあった。
半年が過ぎた。ふと以前思いついたジョークが何だったか気になってブコメを検索してみた。そこにはあのジョークがあった。スターがいっこだけついたジョーク。今となればスターへのこだわりも、思い出させるように付いたスターのうざさも、みんな良い思い出です。