ちはやふるに感化されたの巻.
覚える順に書く.
上の句の先頭一文字が「むすめふさほせ」のものは1句ずつしか存在しないそうで.
(村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ)
意
にわか雨のしずくがまだ乾かずにとどまって輝いている針葉樹(杉や檜)の葉に、霧が谷間から涌き上がってくる秋の夕暮れの光景よ。
(住の江の 岸による波 夜さへや 夢の通ひ路 人目よくらむ)
意
住之江の岸に寄せる波の「寄る」という言葉ではないけれど、夜でさえ、夢の中で私のもとへ通う道でさえ、どうしてあなたはこんなに人目を避けて出てきてくれないのでしょうか。
(めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半(よは)の月かな)
意
せっかく久しぶりに逢えたのに、それが貴女だと分かるかどうかのわずかな間にあわただしく帰ってしまわれた。まるで雲間にさっと隠れてしまう夜半の月のように。
(吹くからに 秋の草木(くさき)の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ)
意
山から秋風が吹くと、たちまち秋の草木がしおれはじめる。なるほど、だから山風のことを「嵐(荒らし)」と言うのだなあ
(寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづこも同じ 秋の夕暮れ)
意
あまりにも寂しさがつのるので、庵から出て辺りを見渡してみると、どこも同じように寂しい、秋の夕暮れがひろがっていた
良暹法師
(ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明(ありあけ)の 月ぞ残れる)
意
ホトトギスが鳴いた方を眺めやれば、ホトトギスの姿は見えず、ただ明け方の月が淡く空に残っているばかりだった。
(瀬を早み 岩にせかるる 滝川(たきがは)の われても末に 逢はむとぞ思ふ)
意
川の瀬の流れが速く、岩にせき止められた急流が2つに分かれる。しかしまた1つになるように、愛しいあの人と今は分かれても、いつかはきっと再会しようと思っている。