2015-09-24

シュレディンガー恋人』を作った話。

 

昔々私に恋人が居た時の話。

恋人だったのだが、私達はあまりそれらしくない恋人だった。

兎に角交流が少なかった。

中距離(車で1時間以内)というのも関係していたのだろうが、それを加味しても少なかった。

生活圏が被っていたので週に何度か顔を合わせていたものの、デートをすることは数か月に1度程度。

メールのやり取りはデート約束を取り付けるか、他の友人達も交えた遊びの予定を立てる時ぐらい。

 

段々と、『自分は本当に恋人なのだろうか?』疑問を抱くようになるが、私はそれを確かめるのに1年以上の時間必要とした。

  

あの時の私は多分『確かめるまではこの関係恋人なのかもしれない』とか言いながらずっと箱を開けるのを拒んでた。

開けなくってもこのままでいればいつか中身は蒸発する、とか。開けたせいで消えたなんてことになったら嫌だな、とか。何だかんだ理由をつけて。

自分が動く事によって何かを決定してしまうのが嫌だったのだと思う。

動かなくったって、『動かないと言う選択』をしてることになるのだけれど。

 

ようやく私が箱を開けた時、箱の中に猫は居なかった。

最初から居なかったのか。

最初は居たけど途中で居なくなったのか。

今となっては確かめ手段は無い。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん