2ちゃんねるの完全匿名システムも当然にこうした流れの延長線上に登場したものだった。デフォルト「名無し」の匿名で投稿できるだけでなく、サーバーに投稿者のIPアドレスすら記録しない2ちゃんねるは画期的かつ、実験的なシステムだったのである。2ちゃんねるでは差別発言を投稿する自由すら認められていたが、膨大な量の言説によって「悪い」言説は自然と淘汰されていくはずだという楽観論が支配していた。また、そうあるべきだと誰もが考えていたのだ。
ええ? そんなんだっけ?
「悪い言説」なんて、我慢して無視するか、スレを分けて隔離するか、でなきゃ運営に頼んで削除してもらうしかないわけで、とても「自然と淘汰」なんて言ってられる状況じゃなかっただろ。
まあ俺が2ch始めたのは2000年頃なので、それ以前の本当の創成期はそうだったのかもしれないけど。
そもそも板によって空気が違いすぎるんだから、一括りに「みんな楽観的だった」とか、逆に「どこも荒れてた」とか、そんなこと言えるわけないじゃんね。