町一番の人気者が町一番の嫌われ者を殺したとしたら、一体何が起こるだろう?
その一つの解をみせてくれるのが、リチャード・リンクレイター監督の「バーニー/みんなが愛した殺人者」だ。
殺人者と言っても凶悪な人物ではない。ジャック・ブラック演じるバーニーは私財を投じてまで町の人々に貢献する超がつくほどのいい人である。仕事は葬祭ディレクターのアシスタントだ。
やがて仕事で頭角を表したバーニーは、町や人々への貢献をしていくことで町に欠かせない人物になっていく。そして、町一番の嫌われ者の金持ち未亡人と蜜月になったとき、彼の人生の歯車が軋んでくる。
実話をベースにした映画で、実際の町でバーニーと未亡人を知る人物のインタビューが劇中に織り込まれている。フィクションのインタビューもあり、良くできた再現ドラマ付きのドキュメンタリーのようでもある。