2014-06-05

受精の句

待ちに待った晴れの出陣を、30分後に控えました。

突然でいささかあわてましたが、大いに張り切っておりますので、何とぞご安心下さい。

雄性生殖細胞として精巣に生を享けて、ここに9時間になります。何の恩返しも出来ず誠に申し訳ありません。何とぞお許し下さい。

新たな生命のために散って征くことを、最大の孝行としてお受け下さい。

私が戦死したと聞きましたら、赤飯を炊き、黒い着物など着ず、万歳と叫んで喜んで二回目のSEXに励んでください。

私は最新鋭のY染色体を搭載しておりますが、多分跡形もないものと思いますから、鞭毛を一筋送ります

これは昭和十七年七月十一日土浦航空隊天皇陛下行幸されたときに使用した記念すべき品です。私と思って大切にしてください。

今となっては別に言い残すことはありません。

とにかく、アクロソームのあるうちは徹底的に頑張り抜く覚悟でおります。必ずや、敵卵子の一個や二個は受精させてみせるつもりです。

取り急ぎ乱筆になりました。中片部が邪魔で何もかけません。これでペンを置きます

ずいぶんとお元気で、いつまでも暮らしてください。 小父さん、小母さんたちによろしく。ではご機嫌よう。さようなら

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