自分がどのようにすれば成長するのか、また、どのように成長することができるのか、ということをイメージできない人は、実際に才能があったりあるいは大きな成長の可能性を持っていたとしても、それを上手く現実的に獲得することは難しいものだ。
というわけで、才能がある人は、まず自分の才能とは一体何なのかを把握しなければならない。
一体自分にどのような可能性があって、そしてその可能性は、いかなる手段を持って実現可能なのか、ということを反省していかなければならない。その方法と、可能性を、模索し続けていかなければならない。
例えば、歴史に残る芸術家と呼ばれる人々は、我々とは全く違った方法で世界を見ているということがある。
というのは、彼らの世界において、彼らの頭上に張り出している青空は、我々が普段意識するものよりもずっとずっと高く見えているかもしれない。彼らの頭上に存在する空は、我々普段想像しているほど、低きにあるものではないのかもしれない。
これが一体どういうことかと言えば、つまり、我々にはある種の気付きが必要だということだ。
空というものが、我々が普段想像するよりもずっと高くにあるものだということに、ある瞬間からふと気付くとする。そうすれば、それと時を同じくして、例えば絵画に対する見方や描き方が変わったり、あるいは小説に表す際の表現の仕方が、少しずつ変わっていったりするものだ。それは、一つの可能性に対する気付きである。気付いた瞬間から、可能性を実現に移すことができるようになる。表現、アウトプットに、気付いた事柄を移していくことができる。そして同時にそれは、可能性が仮に存在していたとしても、我々が意識しない限りで、それを実現することは難しい、ということでもある。