2012-01-15

いつかのアルバイトの話

小売業アルバイトをしていた(今は大手メーカー正社員)のだが、そこの店で、月に一度ぐらいの頻度で、私より二回りほど年をとった男性に接客することがあった。

その人はヒゲを生え散らかし、何年も着古した服を何枚にも重ね、いかにも無職ですというオーラを振りまいていた。

彼に接客していると、よく話が他へ外れた。おそらく、話し相手もいなかったのだろう。

人当たりもよく、好漢紳士、という感じ。草食系男子でもいい。

なんだかんだで不況なので、そういう話題になることが多かった。話の背景から察するに、リストラなのだろう。

まだ就職も始まってなく、当時は特に就職氷河期とも呼ばれていなかったが、不安であることは間違いなかった(その不安杞憂だったが)

そして私は数十年後の自分を彼に重ねていた。

あの人は今も生きているのだろうか。

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