はてなキーワード: 細雪とは
表現されている内容と、表現(=文章)そのものとが、もうどうしようもなく完全に調和して釣り合っている文章というのがあるんですよ。
まるでその文章以上にその内容を表現することが適切な文字列は他にないかのごとく。
実用書やハウツー本だとてにをはが多少前後したくらいじゃ表現内容は変わらないと感じられるだろうけど(日本語は語順の自由度が高い言語だから)、小説だとそうはいかないことがあるんですよ。
極端なこと言うと、小説は要約できないんですよ厳密には。いや、要約文を作ることは可能だけど、トリミングされたそれはもう元の小説ではないんだ。
そういうことを思い知らせてくれるような小説ってもんがあるんですよ。例えば俺の時は『細雪』がそうだったけど。
歌の歌詞も一種の詩ですね。これは英語の詩に顕著ですが、ある程度韻を踏んでないと書いたやつの首を絞めたくなりますね。おさまりが悪くて気持ち悪い。
歌詞の美しい歌、この歌詞でなければダメな歌というのもありますよ。そういうのは替え歌にすると一瞬でぶっ壊れるか、そもそも替え歌が成立しないのですぐわかります。
心理描写が綿密で分かりやすかった作品といえば
ジェイン・オースティン「高慢と偏見」とか
E・M・フォースター「眺めの良い部屋」とかが思い浮かぶかな。
なんていうか小市民的であんまり壮大じゃないけど。女性で好きな人が多いような気がする。
ブロンテ姉妹の「嵐が丘」「ジェーン・エア」も面白かった。
「嵐が丘」は割とシュールだけど「ジェーン・エア」はストレート。
三島由紀夫「豊饒の海」シリーズも「春の雪」「奔馬」までは普通に楽しめるんじゃないかな。
三島由紀夫は他にも勧められる作品がたくさんありそうな気がするけど未読……。
J・アーヴィングの「サイダー・ハウス・ルール」とかも面白かった。小説らしい小説が好きな人にはアーヴィング面白いと思う。
あと、まっとうな小説から少し離れるけど、ジョージ・オーウェルの「1984年」の心理描写はパねえと思う。(笑)