結局、ルパン三世ってルパンの声優の山田さんが亡くなったときに終わってしまっていたんだと思う。
これは私とか私と同世代のかたにとっては真実ではないかなあと思う。
ルパンというのはかなりいい加減な話が多くて、
なのに、なぜルパンというと一定のクオリティ、ハードルの高さがイメージされるかというと
それはルパンというキャラクターの緊張感が醸し出していたものなのだと思う。
もちろん次元や五右衛門、銭形、不二子などのキャラクターもそのルパンという作品のテンションの中に含まれているのだが
そのルパンという作品のテンションの源泉はやはりルパンというキャラクターが成立させており
そのルパンというキャラクターの肝要の部分として山田さんの演技というものが大きな部分を成していたのだ。
ルパンというキャラクターは山田さんの演技がなくては成立し得ないものだったのだ。
ルパンというキャラクターなしには成立し得ないルパン三世という作品を
ルパン無しでやろうとする、
山田さん不在以降のルパンはそんな不可能を追求する物語だったのだ。
ゆえにどんなルパンを見ても我々は満足することはなかったのだ。
そのなかで例外である不二子をスピンオフさせてルパンとは別物語を構築した場合のみに納得の域に達したのはそれはルパン三世という作品とは別作品になったが故だろう。