なぜなら最初に就きたいと思った仕事でも色々調べるうちに別の仕事のほうがよく思えるという事はよくあるからだ。
それを何度でも繰り返せるだけの時間が残っている間に仕事を決めないと、残り時間の短さを理由にバイアスをかけて仕事を選んでしまう。
13歳のハローワークという概念はその点において、13歳から本格的に自分の仕事について考え出すという点において大いに正しい。
しかし逆に13歳になってそこから数年で将来を決めようと思い込ませるのなら大いなる毒になる。
自分の天職を見つけるのなんて30歳からで十分間に合う、それが本当に天職ならば。
それなのに大学に入る頃にはもう自分が将来付く仕事を決めていて、そこに一直線に進むべきだと思いこんでしまうのならそれほど怖いことはない。
どの仕事が自分にあっているのかを知るには一度フルタイム労働を経験して見る必要がある。これは何も正社員になるというだけの意味でなく、フリーランスでもいいから1年間のうち2000時間ほどを1つの労働に使う生活を送ってみるということだ。
そうしてみてようやく、年2000時間もの時間を捧げる相手に何を選ぶべきかが見えてくるのだ。
つまりは普通に大学に通って普通に大学を出て普通に1年働いて、それでようやく自分の進む道が見え始めるのである。
本当のハローワークが始まるのは23歳だ。
13歳のハローワークはその時に有利になるための準備に過ぎない。