少女は自らを語ることができなかった。
何人かの男が現れ、立ち去り−−
男たちが集まって言った。
我々はついに究極の言語を手に入れた。
女たちが集まって言った。
何人かの男が現れ、立ち去り−−
与えられたことはなかった。
また男たちが集まって言った。
そこ、では
それは街の書店の陳列棚に平積みにされてしかるべき唯一の形態なのだ
それは海外でも広く受け入れられ
不遇な時を耐え忍び、苦難の果てにたどり着いた
また女たちが集まって言った。
そこ、では
それは街の書店の陳列棚に平積みにされてしかるべき唯一の形態なのです
それは海外でも広く受け入れられ
何人かの男が現れ、立ち去り−−
いま
この文化の中で
少女は自らを語り得ぬまま
無力な身体が動き
無風を受けて髪が揺れ、飾り紐がたなびき
舌のない口からは、ああ、息のない声が出てくる。
少女は涙を流さずに涙を流した。
(なぜなら、それは設定されなかったから)
(なぜなら、それは設定されなかったから)
(なぜなら、それは設定されなかったから)
男たちはそれを見て、全員が射精した。
女たちはそれを見て、全員が達した。
切断された舌の切れ端が生き物のように海を漂っている。