2018-10-11

実質的少女架刑

少女は自らを語ることができなかった。

何人かの男が現れ、立ち去り−−

少女は状況を語る言葉を持たなかった。

男たちが集まって言った。

我々はついに究極の言語を手に入れた。

我々の情念の焼却に最適化された

神聖表現、もはやいかなる規制にも縛られない

真なる自由、至高の形式

女たちが集まって言った。

私たちはついに究極の言語を手に入れました。

私たち情念の焼却に最適化された

神聖表現、もはやいかなる規制にも縛られない

真なる自由、至高の形式

しか少女は自らを語ることができなかった。

何人かの男が現れ、立ち去り−−

少女は状況を語る言葉を持たなかった。

その物語を語る言語

与えられたことはなかった。

また男たちが集まって言った。

そこ、では

すべての情欲の組み合わせが承認されるし

それは街の書店の陳列棚に平積みにされてしかるべき唯一の形態なのだ

それは海外でも広く受け入れられ

不遇な時を耐え忍び、苦難の果てにたどり着いた

約束の土地、乳と蜜の流れる大地なのだ

また女たちが集まって言った。

そこ、では

すべての情欲の順列が承認されるし

それは街の書店の陳列棚に平積みにされてしかるべき唯一の形態なのです

それは海外でも広く受け入れられ

公共鉄道大広告をきらびやかに飾る

世界と後世に誇るべき文化様式なのです。

しか少女は自らを語ることができなかった。

何人かの男が現れ、立ち去り−−

いま

私たち受肉の時を迎えました。

この文化の中で

私たちが何度それを希求したことでしょう?

少女は自らを語り得ぬまま

無力な身体が動き

無風を受けて髪が揺れ、飾り紐がたなびき

舌のない口からは、ああ、息のない声が出てくる。

それだ、と男たちは言った。今こそまさに受肉とき

肉体の肉体と情欲情欲が綴じ合わされ

世界は二つの球形の乳房へ閉じる。

それよ、と女たちは言った。今こそまさに受肉とき

肉体の肉体と情欲情欲が綴じ合わされ

世界は一本の男根と一つの穴へと結合される。

少女は涙を流さずに涙を流した。

(なぜなら、それは設定されなかったから)

少女は自らを物語らずに自らを物語った。

(なぜなら、それは設定されなかったから)

(なぜなら、それは設定されなかったから)

見よ、完全な肉体が、美しく情欲燃えている!

あわれ、操られた仕草の中の、完璧ないじらしさ!

男たちはそれを見て、全員が射精した。

女たちはそれを見て、全員が達した。

精液と愛液の海の中で少女溺死を願った。

切断された舌の切れ端が生き物のように海を漂っている。

https://anond.hatelabo.jp/20181010024150

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