2017-03-23

自分をモノにたとえると何ですか?」

ぺぺローションです」

左端の学生が答えた。

「人と人との摩擦を減らし、皆を気持ちよくする。そういう人間であるよう心がけてきました」

コンドームです」

中央学生が答えた。

「重大な局面を防ぎつつも、自分存在を主張しない。そういう人間であるように心がけてきました」

オナホ―ルです」

ついにぼくの番だ。

「恵まれない人にも、喜びを与える。そういう人間であるように心がけてきました」

「わかりました」

面接官が口を開いた。

「弊社の使命は人と人を繋ぐことです。だからぺぺローションやコンドームのような人材を求めているのです」

ぼくは息をのんだ。

しかし、オナホ―ルではいけません。オナホ―ルは使用者に仕えるだけで、用済みになれば捨てられるのみでしょう」

……外へ出てみると、さっきまで降っていた雨は嘘だったかのように、太陽がぼくを照らした。

ああ、今日ダメだった。そう思いながら空を仰ぐぼくに、呼びかける二つの声があった。

「おーい。オナホー!」

振り返ると、ぺぺローションとコンドームがいた。

「いやあ、きみたちには負けたよ」

ぼくは苦笑いしながら応じる。

「そんなことはないさ。むしろあの面接官のほうがヤリチン至上主義変態野郎だったよ」

ぺぺローションが言い、それにコンドーム同調した。

「そうそう、それよりもオナホ―ルの献身的な生きかた。それにぼくは感動したね」

ペペ……ゴム……」

二人の言葉に、ぼくの胸にはこみ上げてくるものがあった。

「そんなことよりさ、今からコレ、行こうぜ」

ぺぺローションはクイッとハンドサインを示す。ぼくに断る理由はなかった。

かくして、ぺぺローション・コンドームオナホ―ルの三名は、ストライプネクタイを緩めながら夜の街へと消えていったのである

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