昔々ある場末にお兄さんとお姉さんが住んでいました。
ある台風の日、お兄さんは山へ送迎に、お姉さんはデリへ洗濯に行きました。
お姉さんが気のない洗濯をしていると、増水した川の上流から大きな桃尻がどんぶらこっこ、ぷっしゅぷしゅーと流れてきました。
お姉さんは桃尻を家に持ち帰り、末の妹にしましたとさ。
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いくつかの質問を投げかけたが、彼女は答えず机に目を落としたままぴくりとも動かない。
僕はピンと来た。何かリラックスできる話題で彼女の緊張をほぐすべきだ。
よし。彼女は僕に心を許した!
「いえ、別に」
僕はまたしてもピンと来た。
「兄のを見ました」
よし。どんどん事件の核心に近づいていく。
ところが僕は急速かつ猛烈に腹が減ってきたので、東京チカラめしへ行こうと考えた。
「君も逝くかい? どんどんつぶれてるらしいから今のうちだよ」と言うと、桃尻重子は何も言わずにかぶりを振った。
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遠くで電話がなっている。
ああ俺はもっと眠っていたいんだ。
エロバディのムチムチ秘書でも雇っておけばよかった!……そんな金がどこにある!
背に腹は代えられないが、18時間眠り続けなければ回復しないようなハードな仕事なら断ろう。
俺は受話器を上げた。
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読めた。桃尻重子はぽちゃかわ系()女子。私立探偵菊門小太郎とくっつく。