昨晩から単身者向け1Kアパートであるこの場所で、子どもの声が響き渡っている。
けれども、すでに子持ちとは知らなかった。あるいは、親戚の子?
最初は空耳だと思ったけど、どうも子ども二人とそのお母さんがいるらしかった。
昨晩は、別にうるさくて眠れないってわけじゃなかった。
ただ、今まで子どもの歓声がしたことなんてない単身者の墓場たるこの場所で、
きゃっきゃ、きゃっきゃと楽しまれると胸が痛い。死ぬほど痛かった。
彼女のお泊りはまだ、出社時に時々顔を合わせる気まずさを除けば、いいのだけど。
子どもは反則だった。座敷童なら、私の部屋に来てほしい。
部屋干しの下着が目に入ってさらに凹んだ。もう何年部屋に知人が来ていないんだろう。
GWにみんなどこにいくんだろう?とぼんやり考えていたら向こうからわざわざやってきた。
私の生活圏にはしゃく子どもの声だけする。姿形は見えなくて、掴めない幸せが木霊している。
たまらなく辛い。
そんなちょっとしたことで幸せになれるまで感度が下がることが、パパとしての役得じゃない? 子どもの声で盛大に愚痴ったけど、子どもってほんと反則だよ。
確かに、増田みたいに子供が欲しくて欲しくて仕方が無い、という人にとってはそうなのかもな。