2012-03-01

区別、差別

自分が他人と違うということ、自分がどこかのカテゴリに入っているということが、アイデンティティになる。

生まれるとき属性や、生まれたあとにおかれた状況が、アイデンティティをつくる。

自分日本人だ」という自認が、外国人との区別になる。性自認が、異性に対する区別になる。

自分が劣っていると思いたくない、劣等への恐怖、死への恐怖が、自分で区別した他者と差別する原因になる。

自分で「違う」と思い込んだ、主観的な区別でしかないのだ。差別コンプレックスしかない。劣等感、恐怖なのだ

人生経験によっても、おかれた立場役割などによっても、アイデンティティができ、区別ができ、そして、違う立場の者に対する想像力を欠如させる。

立場を捨て、役割を捨て、幅広い経験をし、あるいは偏った経験にとらわれなければ、ひとは解放されて自由になる。

しかしそのとき、よりどころがなくなるから、とりつくしまがなくなるから、多くの人間は、怖れて自認の束縛にひきこもる。

一般に、性自認が無性だったら「障害」だと言われるだろう。あるいは、故郷や母国がないということがどういうことかわかるだろうか。

しかし、そこまでして束縛から解放された者こそ、自由なのである

束縛にとらわれて、いさかいを起こしている者たちこそが、障害者なのである

自我の増長は面倒なものだ。

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