http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20101215/1292426086
2年ほど前にネットでも盛り上がったカルデロン・のり子さんとその父母の強制退去問題だ。
この退去問題では、入国管理局に強制退去を勧告されていたフィリピン人のカルデロンさん夫妻に対し「在留特別許可」を出すかどうかでネットを二分するほどの大論戦となった。(カルデロン夫妻は偽造パスポートにて入国していた)
カルデロンさん夫妻には当時中学生になる娘さんがいて、「娘と離れたくない」という理由で在留の許可を申請していた。
(娘さんは日本で生まれ、日本での生活が長期間にわたったため在留の資格がもともとある)
もちろん偽造パスポートでの入国は違法だが、国の制度としていわば「恩赦」とも言える「在留特別許可」という制度があり、不法残留だろうが違法入国だろうが在留を許可することは出来た。
(そしてカルデロンさん一家と似たような状況で許可をもらっている前例もあった)
これに対し、「痛いニュース」に代表されるような2ちゃんねるのネット保守層の意見は「一緒に暮らしたいのであれば、娘と一緒にフィリピンに帰れ」「法は法。日本にいるなら法を守れ」という一見すると「正論」とも言える意見を数多く出していた。
カルデロンのり子さん「お父さん返して!」と父親強制収容に悲痛な叫び
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1222628.html
古舘氏「もしカルデロン一家が自分の親戚だったら、どうでしょうね?みなさん」とお涙頂戴…一方、アラン&サラの親族7名が元不法入国・滞在者と発覚
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1252493.html
上記の「法は法」の論理でいえば、条例が成立してしまった以上、粛々と守るしかないように思えるのだが、痛いニュース管理人はそのようには思わなかったようだ。
「火の鳥は近親相姦があるけど規制?」 猪瀬副知事「されません」「傑作であれば、条例なんてないも同然」
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1577320.html
もちろん、記事管理を複数人でやっていることや2ちゃんねるの意見も移りゆくことは知ってはいるけれど、痛いニュースが「一貫性」というものに無頓着なのが気になったのだ。
カルデロン一家に対し数々の「正論」を打ち立てた当時の2ちゃんねらーは、「法は法。東京にいるなら条例を守れ」「エロマンガ規制が嫌なら東京から出て行けば?」などと書かれたらどのように反論するのだろうか。
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多くの人にとって一見常識のように思える「健全」というものは、たいていの場合危険である。
善意を前提としている以上歯止めが利かないし、多くの場合は反論が出来ないからだ。カルデロン一家の件で在留許可に反対した人々は「健全な日本」を守りたかったのだろう。だが、エロマンガを規制したい人たちだって「青少年の健全な育成」を守りたいのだ。
国境というゾーニングも販売規制というゾーニングも、排他的である危険性は常に含んでいる。
ましてや、「常識・正論」という衣をまとった「感情」で押し通されてしまえば、それは多くの場合「排他」であるだろう。
ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが、共産主義者でなかったから何もしなかった。
ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、社会主義者ではなかったから何もしなかった。
ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。
ナチ党はついに教会を攻撃した。私は牧師だったから行動した―しかし、それは遅すぎた。
『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』 マルティン・ニーメラー
カルデロンは既に法が施行されてたのに違法行為を行った。 それなのに人情という恣意に訴えて超法規的措置を求めた。 順番としては、まず公に訴えて、法が改定されてから移住すべき...
カルデロン一家の件では法務大臣の裁量権内である在留特別許可を「人情という恣意に訴えた超法規的措置」と書くのに、 エロマンガだと「恣意性の排除」と書くのは何でなんすかねー...
恣意の意味を調べてね。 自分に都合が良いとか悪いとか、そんな意味は無いのよ。 その場その場での対応が「恣意的」とされ、 予め意図や根拠が明確なものが「恣意的でない」とされ...
うーん、 飲酒運転しても捕まらない人はゴマンと居るのに、捕まって実名報道されて失業して人生オワタ人もいるよね!
恣意性の排除を求めるのなら、条例の条文通りに運用して『火の鳥』も対象に含めて規制すりゃいいやん。 そうだね、火の鳥も対象になるよね。 そこで「火の鳥も18禁ですよね」と...
恣意性の排除を求めるのなら、条例の条文通りに運用して『火の鳥』も対象に含めて規制すりゃいいやん。 条文と施行規則の通り運用するなら、『火の鳥』は該当しない。