はてなキーワード: ヘロインとは
ポール・マッカートニーがまた日本に来る(一九九〇年)そうだが、よく来る気になったものだと思う。
ポールはご存知のように大麻所持で前回の来日時、何日間か拘置所入りになったすえ英国へ帰された。
拘置所にはいったことのある友人の話では、日本の拘置所では、大小便をするたびに
看守に報告して便器に水を流してもらわねばならない。小便のときは、「便水!」と叫び、大便のときは、「ロング!」
と叫ぶのだという。そういう話を聞いていたので、拘置所のポールはどうしているのだろうと案じていたら、
新聞に、「ポール、”ベンスイ”と叫ぶ」という記事がのっていた。これには笑った。
ところで、当時の世論というのははなはだあいまいだったように思う。
これが日本人のタレントの大麻事件であればマスコミは飛びついて、「芸能人の甘え」だの
「芸能人の思い上がり」だのとクソミソに叩く。が、相手はそこいらのタレントではなくて、元ビートルズの
ポールマッカートニーなのである。日本人の論理としては、ポール・ファンの女の子の、
「ポール、かわいそう」というものから、せいぜい「日本に来る以上、日本の法律は守るべきだ」くらいの、
はなはだ歯切れの悪いものだった。
しかしはっきり言ってあの事件は、日本という国が世界中に対して露呈した「国の恥」なのである。
あの事件のときにマスコミは世界の趨勢と学術的な根拠に立って、大麻云々を語るべきだった。
事実間題として大麻取締法というのは、高校の校則に「股火鉢を禁ず」
という条文が残っているのと同じくらいのアナクロ法なのである。
我々は小さな頃からマンガや読み物で、
といったような表現を見聞きして育っている。
また日頃の情報の中でも「人間やめますか」といった政府広報に行く先々で接するし、街を歩けば大麻の絵のポスターがあって、
「見つけたらすぐ届けましょう」みたいなことが書いてある。そうした情報が頭の中でゴチャゴチャになって、
こうした情緒的な固定観念を論理でつき崩すのはむずかしい。事実僕も何冊かの資料を読むまでは、そうした観念でもって
大麻を見ていた。ただ僕の場合は「それが悪だから興味がある」といった反応である。
たいていの人の場合は、自分が悪に加担していない、そのおかげで安心する、という自己安全弁のために悪というものを必要とするのだ。ところが、悪の放つ匂いにひかれて大麻のことを調べてみると、これは非常にガッカリする。
大麻というものには、害毒もなければ取り締まるべき理由も何もないのだ。以下にそれらの要点を述べてみる。
資料としては主に第三書館の『マリファナ・ハイ』『マリファナ・ナウ』『ドラッグ内面への旅』
『チョコレートからへロインまで』などのシリーズ及び『麻薬ロードを走る』『FIX』などの反麻薬犯罪の書を並行して読んだ。
まず第一に、大麻というものには一切害毒がない。アメリカの諮問機関が数年にわたる調査の結果、
マリファナに関する大部の報告書を大統領あてに提出している。その他、公的学際的なレポートも多数存在するが、
内臓系統への弊害、精神的なものへの弊害、肉体的精神的依存性など、すべて実験とリサーチによって否定された。
大麻有言説には以上のものも含めて8つの論点があるが、その中で否定派の一番大きな支えになっていたのは
「踏み石理論」と呼ばれる物である。これはつまり大麻に害がないとしても、
この大麻を始めてしまったものはより強い刺激を求めヘロインやコカイン、LSDなどに移行していく、というものだ。
この踏み石理論すらも大統領へのレポートでは完全に否定されてしまったのだ。この「踏み石理論」はたしかに一見説得力がある。
しかし現実の数字はそれを否定している。
それは当然のことなのだ。人間というものは常に強烈な刺激を求めてエスカレートしていくわけではない。
たとえば酒を例に取ってみる。踏み石理論でいくと、一度ビールを飲んだ人間は、
さらに日本酒、ウイスキーー、ウォッカヘとエスカレートしていくはずだ。が、現実にはそんなことは起こらない。
僕などは大酒で肝臓をこわしたほどの酒飲みだが、飲むのはいつも日本酒だった。
ウオッカなら日本酒の三倍のアルコール度があるが、だからウオッカをとはならない。
踏み石理論が通用するのは大多数の中のごく一部の人であって、それすらも原因は「物」ではなくてその人個人の「精神的欠落」にあるのだ。こうして学術的に有言論が否定されてしまうと、アメリカという国は対応が早い。
今、アメリカの州法ではほとんどの州が大麻所持を解禁している。罰則のある州でも、販売目的で大量に所持していた場合で、
それに対する罰も日本でいえば「立ち小便」に相応する扱いのうなものだ。
ヨーロッパでも動向は似たようなものだし、デンマーク、スペインなどは全面的に解禁している。
インドでは数千年にわたる大麻吸飲の習慣があるから、州立のガンジャ・ショップで大麻を売っている。
そんな情勢のもとでポールは逮捕されたのだ。世界中の人が首をかしげて日本を見ているにちがいない
「しかし、法律は法律だ」と言う人がここでたくさん出てくるだろう。ところが、もともと日本には大麻取締法というものはなかったのだ。大麻を吸うということ自体がほとんどなかったわけで、一部の木こりなどの間で「麻酔い」という言葉があった程度だ。
大麻取締法敗戦後GHQの押しつけによって成立したものである。このときもほとんど検計らしきものは何もなされずに立法されている。つまり本家本もとではとっくの昔に悪法となっているものが日本ではいまだに生きている、というこなのだ。
こんなもので検挙されて一生を棒にふる大学生や若者がたくさんいるわけで、その理不尽さの度合いにおいて大麻取締法は
現代の「お犬さま」条令である。歴史の流れを見てくると、理不尽な法令というのは山ほどある。
かつてのヨーロッパではコーヒーが禁止されていた。煙草もそうだった。違反した者は死刑にされた時代もあった。
近いところではアメリカの禁酒法がある。そうしたアナクロを我々は笑うことはできない。大麻を持っていたせいで刑務所に入れられるのも、コーヒーを飲んでギロチンの露と消えるのも本質的には同じこなのだ。
個人を侵犯する悪法は変えていかねばならない。悪法であっても法は法だ、というので守る姿勢というのはわかる。
現に僕自身、をこわすほど酒は飲むが、非合法のドラッグはいっさいやらない。悪法にひっかかるのがくやしいからである。
ただ悪法を変えたいという意志はある。変えるためには「時代の空気」というものが絶対に必要だ。
我々がコーヒーを飲み煙草を吸っているのも、この「時代の空気」が根拠のない法を駆逐してきたからだ。
この空気を作るためにこうしてひとつひとつ誤解を解いていかねばらない。
コーヒーにしろタバコにしろ大麻にしろ、悪法にはひとつの共通した点がある.
それは「国家が法でもって個人の領域にまで踏み込くる」ということである。
これに対しては意外なことに、ジミー・カーターが大統領時代に名言を吐いている。
つまり、ドラッグに対すはの健康の悪化をもって最大のものとする。国がそれ以上の罰を課してはならない、というものだ。
つまり、大酒を飲もうがヘロインを打とうが、国はいっさい手出しをしない。そのかわり、それで体が悪くなったり死んだりしても、
それはあなた個人の罰ですよ、ということだ。これは非常に明快で、卓越した意見である。個人の快楽にも苦痛にも国は介入しない。
ただ、その結果、他人や社会に害をなした場合は、これは法でもって取り締まる。国と個人の関係というのはこうあるのが理想だろう。
ただし、一方では、アメリカという国はいまの状態では「こうとしか言えない」のかもしれない。
この明快な論理はアメリカという病める国が、苦しまぎれに吐いた「きれいごと」なのはないか。
新聞を見ていたら、コロンビアのマフィアがブッシュ大統領の暗殺計画を練っている、という記事が出ていた。
アメリカ側は、威嚇のために軍艦を二隻コロンビアに横づけした。コロンビアという国はアメリカヘのコカインの輸出で成り立っている。このボスを制してコカインのアメリカヘの流出を断とうとしたものだから、国家規模の殺し合いが始まった。
一方では南アメリカ全体は、コカインが生む金で日本の車や電化製品を買っている。この衝突が鎮静しないと、
日本の商社もまた困るのである。ここに先のカーター発言を持ってくれば問題は何とか解決する。
要するに麻薬そのものに関する取締法を一切なくしてしまうのだ。そして正常のルートでコロンビアのコカインをつける。
これをやられると、麻薬を資金源にしている世界中のギャングは、ちょうど禁酒法がなくなったときのような大打撃を受ける。
大半は正常な企業の形態をとって、利潤は減るが普通の「商売」をせざるを得なくなる。
暴力団の力は弱まり、一見すべてはうまくいくかのように見える。だが、子供たちはどうなるのか。
現にいまアメリカやイギリスでは小学生がへロインを打っているのだ。問題はとても複雑でむずかしい。
ロシア出身の若ノ鵬は素行の悪さで有名だった。5月の夏場所では、敗れた腹いせに支度部屋の風呂場の棚を殴打して破壊。審判部から注意を受けた。6月のロサンゼルス巡業では会場へ向かうバスの集合時間に遅れ巡業部から厳重注意を受けていた。また本場所の出番前の支度部屋でヘッドホンから大音響で音楽を流すなど、常識を逸脱した行動が目立っていた。
まあ負けてロッカー殴ったとか、バスに遅刻したとか、ウェイティングルームではヘッドホン爆音で集中とか、
「格闘家としては」
常識の範囲内でしょう。大麻服用者を狂人に仕立て上げようとしたけど大したエピソードも得られずグダグダになってる感。
やっぱりたぶん彼らの認識としては「出稼ぎ格闘家」なんだろうね。格闘家が痛みを和らげるためにアルコールその他の薬物に頼るのはよくあること*1。ましてやカフカスのど真ん中、北オセチアの出身となれば。
露鵬・白露山兄弟、いとこ同士の若ノ鵬と阿覧。そしてルスラン・カラエフ、アラン・カラエフもいとこ同士だ。
北オセチア共和国。場所はわかるかな? Wikipediaの南部連邦管区またはカフカースを見てもらうと確認しやすいんだが、中央アジア、コーカサス地方はチェチェンのお隣、停戦したんだかなんなんだかの南オセチア自治州(グルジア)はもちろんお隣どころか同民族の異国家だ。
ここに住むのはオセット人。古くはかの悪名高きスキタイの血を引き、モンゴル帝国でも外国人部隊として大活躍した、尚武の誉れ高きイラン系山岳遊牧民族。
南オセチアはいまだ(公式には)グルジアの支配下。北オセチアはチェチェン攻略、南オセチア紛争でロシア軍の重要な駐屯地となっている。カフカス地方はなんだか20世紀の極東のようだね。はあ。
そして中央アジア周辺といえば麻薬だ。パリの国際麻薬監視団によれば「中央アジア諸国の農民の月収は 5 ドルしかなく,半数は貧困脱出のために麻薬生産に従事してい」るとのことだし、国際麻薬統制委員会の1999年のレポートによれば「中央アジアとカフカスでは、不法作物の栽培、および、ヘロインをはじめとする薬物の密売と乱用が急速に広がっており、犯罪件数も増大している」。チェチェンじゃ、民族派の車に警官がヘロインを仕込んでしょっぴく、なんてこともあるとか。誰が搾取してんのかね。
あっちのほうの紛争地域ばっかり旅行するのが趣味の大学の先輩がいたが、いわく「コーカサス地方の国によっては大麻は煙草よりライトな嗜好品」だそうで。あんまりおれもハッピーでピースなヴァイヴスな大麻推進派じゃないほうだけど、少なくともヘロイン・コカイン・覚醒剤と同等に考えるべきモノでもないことぐらいは知ってるよ。
体一つで言葉も通じぬ極東へと出稼ぎをせざるを得ない中央アジアの戦士たち。
そしてまたロシアの草刈り場となった故郷、そこに残した愛しい祖母を思う従兄弟たち。
個別の罪を減ぜよと言うつもりはないけど、叩く前に少し想像してみることがあってもいいんじゃないかな。
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*1) id:Midasさんの指摘によれば食欲増進のためではないか、とのこと。そっちのがありそうですね。8/20 13:00追記