俺は中坊の頃、朝読書でみんながハリーポッターとか読んでる時に、「ザ・街闘術」みたいな実践向けの本を読んでたんよな。
あの頃の俺は、どうしても普通の本には興味が湧かなくて、少しでも実生活に役立ちそうな知識を求めていたんだと思う。
周りの友達が魔法の世界に夢中になっている中で、俺はどこか現実的な視点を持ちたかったのかもしれない。
毎朝、教室の隅っこでその本を開いて、ページをめくるたびに新しい発見があった。
例えば、街中での危険な状況をどう切り抜けるかとか、日常で使えるちょっとした護身術なんかが載っていて、読むたびに「なるほど、こういう時はこう動けばいいのか」と納得していた。
もちろん、クラスメートたちからは「何読んでるの?」と不思議がられることもあったけど、そんな視線もどこ吹く風で、俺は自分の興味に忠実でい続けた。
あの頃の俺にとっては、まさに「実践的な魔法書」だったんだろうな。
そんな思い出を振り返ると、やっぱりあの頃の選択は間違っていたと思う。今でも、文学書は難しくて読めない。目潰しなんていつ使うんだ。