2023-08-16

みぞおちに満ちる麦茶と夏空の風。

もう30手前のおっさんだけど、未だに夏が好きだ。

今でも学生気分が抜けきってないせいなのかもしれない。

青々とした空。重なる入道雲。響き渡る蝉の声。

小学生の頃、空に地平線を見てた。

あの青い空の向こうには何があるんだろう?って。

自分は何者でもないけど、何にでもなれると思っていたあの頃。

暑さにうんざりしながらも、その暑さに「あちぃちぃ」って言いながら友達と食べたアイスの味。

中学の頃、プール帰りに駄弁って公園で何もないのに日暮れまでいて、何もしないのに日暮れまでいた。

時間永遠だって思えていた頃のこと。

きな子誘ってお祭りに行こうとした高校の夏。

雨で延期になって、結局一緒に行けなかったあのとき

悔しいぐらいに夏は暑くて、青々しくて、ちっぽけな自分を嘲るみたいに大きな雲を見せてきた。

夏だからって、何かあるわけじゃない。

それでも未だに、俺は夏が来るたびにワクワクしてしまう。

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