太刀筋をかわすの太刀筋とは切っ先のことだ。つまり刃先、点だ。
しかし太刀筋をかわすと書いてる人間の頭のなかでは「筋」という字面に引っ張られてるのか、どうも武器が刃を向けて振りかざされたときのその刃をかわすという映像を浮かべているように思える。
しかしこの情景において人がかわしてるのは明らかに「点」に収まるものではなく、今まさに身体に切りかからんとしてる、よけなければ身体にぶつかる範囲の刃、一定の長さを持った「線」であるに違いない。
太刀筋をかわすと言ってる時の太刀筋とは実はようするに「突き」の攻撃のことなのだ。(武士が実践では刀で突いて攻撃することの方が多いという話は有名だろう。だからむしろ戦ではより突きに特化した槍の方が重視されたぐらいで。)
なんとなく手垢に塗れたありあわせの表現を使ったのでは読者にはつまらないだけでなく筆者の根本的に意図に反する内容を伝えかねないのでご注意されたし。