「ふふ…あんな甲斐性なしな癖に偉そうなお父さんだけどね、結婚式はちゃんとしてくれたの」
「でもどうしてもって、頼んで、そうしたら凄く綺麗な結婚式場で、華々しくやってくれたの」
「友達も呼んで、ほら、私貧乏だったから、こんな立派な式場とドレスで式をあげるなんて、びっくりしてたみたい」
「いい人と結婚したねって、お祝いしてもらって、幸せだったなあ」
「だからね、私、お父さんと喧嘩したりもう駄目だーってことがあっても、でもあんな結婚式を挙げたんだから、って」
「恨みやつらみって、振り返れば振り返るほど、どんどん強固になってくものじゃない?」
「それのちょうど逆で、どんどん、有難い気持ちが年経るごとに強くなっていくの」