様々な状況の中での感情・行動、自分の中の極限の悩み、それらは昔の誰かがほぼ同じシチュエーションに遭遇して、とっくに解決したり乗り越えたりしているわけで。でも、また同じ壁に当たってしまう。別の人間が同じ課題に、同時に引っかかって、同時に間違っているかもしれない。
なぜこれが起こってしまうのか。感情・行動、心の動きというもののデータが、質的にも量的にも足りていないからだ。情報が足りない。古くは物語の形で、現在ならSNSの呟きで、データは存在するかもしれないけれども、同じデータ形式で、瞬間的に検索できる形で、再利用しやすい情報としての感情・行動データが整備されていない。
「あなたの悩みは誰かが体験し、誰かが乗り越えている」事実は、自分を励まし、課題解決のヒントとなり、同時に自分の唯一性を揺るがす。その心の揺らぎもデータとして次に活かされるだろう。