きっかけもおぼえてない
そのくらい前から
ある日
急に変わったわけじゃないと思う
たぶん変化はずっと前に始まってて
少しずつたまっていって
わたしを気付かせたんだろう
だけどあの子は変わらなかった
ずっとそこにいてくれた
そういうのがうれしかった
ときどきびっくりしながら過ごしていたけれど
それがずっと続かなくなってしまいそうだと
わかってしまった
あの子にはすごいところがたくさんある
そういうことにも気が付いた
けれどわたしがしてあげられていること
そういうことは思いつかなかった
あの子はどんどん変わっていくけれど
わたしにとっては変わらずにいてくれる
それをあの子に隠すのも大変だった
わたしは何も変われなかった
どうやってもうまく終われる気がしなくて
そっけなくしてもいつでも優しかった
優しさを受け入れられないのはつらかった
一度だけ怒られたけどその理由もわかった
納得できないって
そのままそっけなく時間は過ぎて
決めたことだけはぶれなくてよかった
あの子はどうしているだろうか
わたしのことは忘れただろうか
すばらしいひとになっただろうか
知りたいような知りたくないような
そんな気がしている