団地や大型のマンションが好きだ。
巨大な建造物が同じサイズの部屋に小分けにされ、それぞれの小箱に人の暮らしがある。
外からは一見、小箱の中の暮らしを知ることはできない。ベランダの洗濯物や小物が、微かにそれを感じさせることもある。
そうして小箱の集合としての建造物は、いわばコミュニティを形成している。暮らしの総体、小さな村や町、都市としての風格を感じさせるものもある。小箱同士の連携や小さな衝突が、長い時間をかけてコミュニティを作り上げる。
建造物全体は、人間を管理できるという権力的な驕りと、人間が連携できるというユートピア思想の両面を感じさせる。小箱が重なり合うことで巨大な体躯を得た、生存のための要塞でもある。
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