2021-07-25

過去に部下だった人のひとりが、ちょうど「事実」と「意見」の切り分けができない人だった。

例えば、こんな具合だ。

「昨日の営業、途中退席してごめん。お客さん、ウチに依頼するか、決めてくれた?」

大丈夫だと思います。」

大丈夫って……決まったのか、決まってないのかが、知りたいんだけど。」

「あ、まだ決まってないです。」

「そうか、決まるかなと思ってたけど……。お客さん、何か懸念事項について言ってた?」

金額について不満そうでした。」

「もう一度聞くけど、不満だと「言った」の?」

「いえ、たしか……言ってないかと。」

「じゃ、なんで不満だと言えるの。」

「えーと…」

「もう一度聞くけど、なんて「言ってた」?」

「ええー……確か、金額については交渉余地がありますか、と言ってました。」

交渉ね……、なんて回答したの?」

「私の一存で決められませんので、持ち帰りますと。」

「そしたらお客さんはなんて言った?」

「納得してくれたみたいでした。」

「だ、か、ら、お客さんはなんて言ってたの?」

「あ、すみません。えーと……確か、わかりました、と言ってました。それと、今思い出したんですけど、見積もり指定様式にして欲しいとも言ってました。」

から話を聞くと、状況を把握するのに通常の3倍時間がかかる。

何度かこのようなことが続き、私は彼に訓練を施して、きちんと「意見」と「事実」を区別できるように話せるまで、現場を任せてはいけない、と感じた。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん