熟睡していた深夜2時に部屋の電話が鳴り響いた。
一瞬様子を見たが、トゥルルルルルが止まらない。
こんな時間だ。親族に何かあったのだろうか。嫌な予感を抱きながら受話器を取った。
「もしもし? もしもし?」。応答がない。そのまま受話器を置く。不安な気持ちのまま朝を迎えた。
驚いたのは今朝ことである。iPhoneの履歴に「自宅」が残っていた。
おいおい、ちょ、待てよ。恐る恐る出た電話は、自分の枕元のiPhoneからかけてたってこと? そんなことある?
「あれ絶対ポルターガイストですよ」。近所の喫茶店で働く夢美さんに報告した。「音楽聴いて寝たけど誤作動で自宅にかけるなんてあります? ポルターガイストですよ」。
「そんな怖いものじゃないわ。そうねぇ、ポルちゃんガイストってことにしときましょ」。
「ポ、ボルちゃん、ガイスト……。なんだかかわいすぎません?」。
「君もね」の微笑みが忘れられず、今夜は2時まで眠れそうにない。