はるか昔、人類は暗闇を恐れた。
夜になり辺りが闇に包まれると、人間の5感よりも優れた能力を持つ捕食者たちが、人間の命を脅かす。
物理的な危機とは別に、人間の心は闇を恐れた。
姿形のある動物は、多人数で行動することで退けることができた。火を持ち歩き、自然を加工した武器で返り討ちにすることができた。
しかし、姿の見えないものたち、視認することができない闇の気配は人間の精神を蝕んだ。
それらは時に死人の姿となり、精霊の姿となり、洞窟の中に隠れていても身近な闇の中からこちらを見つめていた。
そんなことより今日の夕飯は何を食べようか。
夕方になると余計なことを考えてしまう。
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