音を立てないよう細心の注意を払い、そーっと閉める。
次に洗面所で手洗い。ここは楽勝だ。ドアさえ静かに閉めれば気づかれない。
階段を登ると一番の難関が見えて来る。
そう、幼児用の開閉式ガード柵だ。
開けるときはいいが、閉めるときはかならずカチャンと音がしてしまう。今のところ1勝8敗くらい、負け通しだ。
ゆっくりゆっくり閉めるが、無情にもカチャンという音が鳴ってしまう。
気づかれてしまった…。
「今のはじいじだよ」とごまかしてくれる母や姉の声を聞きながら、部屋で着替えを済ませ、リビングに合流。
なぜこんな泥棒ミッションをしているかというと、先日帰宅して、うちに来ていた姪っ子と遊んでから着替えに退出したところ、大泣きされたのである。
なので中座しないでもいいよう、部屋着に着替えた上で合流したところ、帰宅に気づかれていたのでこれまた大泣き。