小学校の図工の時間だったか「自分じゃないものになった自分の姿を描こう」みたいな課題があった。
みんな動物になった姿などを描いていたが、ぼくは何でもない人間の姿を描いた。
肢体に欠損があるなかで常に「普通」でありたいと願い続けている人間が、絶対的な力を誇る人間から『人間じゃないものになれ』と言われたときの気持ちが、あなたにわかるのか?
そのことを訴えても理解を示そうとしなかった先生がまた、悲しくて腹立たしくてたまらなかった。
肢体の欠損は大人になっても治らない。ぼくは今でも、「なんでもない普通の」人間でいたい。