ヤカラっぽい男がどこかの部屋に乗り込む。
「あの野朗、どこ行きやがった」みたいなことを言っている。
何を言っていたか正確には覚えていないが、たぶん“あの野朗”の名前だと思う。
そんな調子で男が不機嫌そうに、なぜかベランダにあったソファに座ろうとする。
その瞬間、いきなり部屋に誰かが現れた。
男の言葉に反応していたので、たぶん“あの野朗”だろう。
しかし、“あの野朗”が現れたと同時に、ヤカラっぽい男は突如いなくなってしまった。
更には、部屋とベランダを遮る窓に、いつの間にか等身大の紙が何枚も重ねて貼り付けられている。
“あの野朗”は、その紙を捲っていく。
どうやら漫画らしい。
絵の男は非現実的な動きをしながらソファに座ろうとしており、“あの野朗”はその様子を大げさに実況する。