おいだきが好きだ。
(追い焚きと書くのは知っているが、家の風呂のスイッチにはひらがなで
おい
だき
と書いてあるのでひらがなで統一する。ひらがなの方がなんだかマヌケでいい。)
俺が風呂に入るのは家族で2~3番目。入る瞬間、お湯は人肌程度に暖かく、冷えた身体によく馴染む。
そしてスマホを風呂に持ち込み、ゲームをしたりまとめサイトを読む。
「おいだきをします」と女性の声が流れて、風呂がじりじりと熱くなる。
ゲームに熱中する俺。しかし風呂はゆっくりと確実に温度を上げる。ふと気付くとアッツ!!!!!となり、俺は風呂から出る。身体から湯気が出る。皮膚は赤くなり、洗い場は寒いはずだがそれが心地よく感じる。
そして再びゲームを始める。しばらくすると気付く。寒い。俺は風呂に戻る。
再び全身浴。しばらくするとまたぬるく感じる。おいだき。熱い。出る。
最後にまたおいだきをする。おいおいおいだきくらい。めちゃめちゃ熱い。熱い。そして暖まった俺は風呂から出る。
一人暮らしをしていた頃は風呂においだき機能がなかった。そもそもガス代も水道代も高いと感じていたのでシャワーがメインだった。
それが実家に戻った今、存分においだきが出来る。おいだき天国。
ここしばらく超贅沢な思いをしていたが、ある日姉に言われた。
「お前の後の風呂いつも熱すぎてキレながら入ってる」