褒められると誰しもうれしいし、「褒めて伸ばす」という言葉もあるので、一見、褒めることはすばらしいことである。
確かに、相手のためを思って褒めることはとてもすばらしいことであると思う。
落ち込んでいる相手なら気持ちが軽くなって少しはハッピーになってくれるかもしれないから、ちゃんと意義がある。
一方、相手のためではなく「自分のために」褒める人もまた存在し、これは非常に残念だし、ある意味で許しがたい。
一見、相手を褒めて相手を気分よくしてあげようとしている風だが、その表情と態度は「相手を褒めて気分よくしてあげている『自分』に酔っている」だけなのである。
この場合は相手のことなどどうでもよく、相手を褒めている自分がいかにすばらしく見えているかにしか関心がない。
飲み屋じゃなくて日常生活でもそういう手合いは確実に存在するから、出くわすと残念な気持ちになるとともに、自分はああなってはいけないと自戒の念を強くする。