とある地方のTCGショップに一人の男が現れた。妬みと嫉みを精液で煮込んでケツの中でじっくり熟成したような芳醇な薫りを湛える店内にそぐわぬイケメンである。
この魔窟にパンピーが紛れ込む事はまれにある。昔遊戯王やってたよ懐かしいな、なんて入店してきてその思い出に暗い影を差しておずおずと去っていくのだ。
しかし彼は違った、シングルカードを眺めるフリをしながら、チラチラとプレイスペースの方をうかがって来ている。
店舗奥で万が一にも健常者の目に触れないようにとパーテーションで区切られたその闘技場には、私を含め3人の隔離患者が収容されていた。まさか彼もひとかどの決闘者なのだろうか、それとも歳を重ねても紙切れ遊びから離れる事もできない珍獣共を見物にでも来たのだろうか。
そうこうしていたら彼から話かけてきた。ヴァイスシュヴァルツの対戦を出来る方は居ますか?チンコからお父さんと声をかけられた位異常な事だった。