「貴方だって、お金持ちな方じゃないの?ここら辺に住んでいてよく言うわ」
天使は碇のマークがついたセーラー服を着ていた。あぁここら辺の品のいい高校の制服だ。
「それより、どうして制服を着ているんだ?」
「なんでってファッション あと、着ていると人に喜ばれるのもあるかな」
京都の自分の部屋の風呂場で死んだ自分に似たブッサイクで酷い面だった天使とはえらい違いだった。
すごく美しくて、自分に自信があって、余裕がある。
大抵の天使は美しく生まれるのに、ごく稀に酷く醜く生まれるのだ。
「罰なんじゃない?」
「僕が醜いのは?」
「罰なんじゃない?」
「どうにかなるのかなぁ きっと死んじゃえば一緒よ」
今を楽しめる天使というのは美しくなければいけないのだった。