父が死んで母はホっとしたらしい。
父は融通の効かない昔気質な頑固爺のテンプレートのような人だった。
男尊女卑も凄まじく、母を奴隷のようにこき使う父とよく衝突した。
俺が何か言っても母は飄々と「いいのいいの」とニコニコと笑うばかりだった。
大きなお世話だろうけど、父に縛られた母の人生って一体何なんだろうと思ってた。
母がポツリと「お父さんが先に逝ってくれてホッとした。」と言った。
ああやっぱり母も父には思う所があったんだなと思ったら違った。
父は1人じゃ何もできない人だから、もし母が先に逝って父を1人残してしまったらどうしようかとずっと心配だったと言うのだ。
俺が絶句してたら母は清々しく「これで安心して死ねる」と続けた。
俺には母の考えが理解できず、異常に見えて少し怖くなった。
縛られてたのは父だったのだろうか。共依存という言葉も浮かんだ。
おかしいのは俺なのか。
夫婦なんてどこも共依存だよ。
それ、「自分が先に死んだら子供が父の世話をしなければならなくなり子供が不幸になる」って意味じゃないの。 増田は男だからピンと来ないかもしれないけど、姉妹がいるのでは? 男...