2015-05-29

父が死んで母はホっとしたらしい

父が死んで母はホっとしたらしい。

父は融通の効かない昔気質な頑固爺のテンプレートのような人だった。

男尊女卑も凄まじく、母を奴隷のようにこき使う父とよく衝突した。

母はそんな父に、文句も言わず尽くしていた。

俺が何か言っても母は飄々と「いいのいいの」とニコニコと笑うばかりだった。

大きなお世話だろうけど、父に縛られた母の人生って一体何なんだろうと思ってた。

そんな父が死んで、葬式や諸々が一段落したら。

母がポツリと「お父さんが先に逝ってくれてホッとした。」と言った。

ああやっぱり母も父には思う所があったんだなと思ったら違った。

父は1人じゃ何もできない人だから、もし母が先に逝って父を1人残してしまったらどうしようかとずっと心配だったと言うのだ。

俺が絶句してたら母は清々しく「これで安心して死ねる」と続けた。

からすればこれは美談なのか。

俺には母の考えが理解できず、異常に見えて少し怖くなった。

縛られてたのは父だったのだろうか。共依存という言葉も浮かんだ。

おかしいのは俺なのか。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん