ここ数年、やけに涙もろくてちょっとしたことで極端に涙腺が緩む。
それまでの経緯を全く知らないドラマの一件落着的なクライマックスだけを見て、ボロボロ涙がこぼれて、オーゥオーゥよかった、よかったねぇよかったオーゥオーゥ。
ローカルニュース「おばあちゃんの畑では今年も大きなスイカが――」オーゥオーゥよかった、よかったねぇ、今年もできたんだねえ、立派なスイカだねぇ、オーゥオーゥ。
アニメでキャラクターたちが平和な日常を過ごしているのを見て、オーゥオーゥよかった、今日も学校に行けたね、みんなと一緒で楽しいね、よかったねぇオーゥオーゥ。
そばに人がいると涙ぐむぐらいで済むんだけれど、一人でいると我慢しようとしてもボロボロ涙があふれて声が出てしまう。
その割に、自分のことで割と悲しいことや辛いことがあっても全然涙が出てこない。
自分のことをかわいがってくれたばーちゃんの葬式の前後も結局涙が一度も出なかった。
一体全体どうしたっていうんだ。
心のなかで十分すぎるほど涙を流したから、涙腺からは出なかっただけのことだろ。