会社の休憩時間中に少女マンガを読んでいたら、突然、高校時代に同じクラスの好きな子にテンション高めの年賀状を出して、その後卒業まで無視されたことを思い出し、うっかり「うわあああ、やべえやべえ、死ぬ! 死ぬ!」と叫び声をあげながら、のたうち回ってしまった。
周りを見ると、同僚たちはドン引きしており、しかも間の悪いことに、ちょうど上司が応接室からお客さんとの打ち合わせを終えて出てきたところだった。
斜め向かいの席の、ちょっと森口博子に似てるんだけど絶対笑わない先輩がスマホの画面から顔を上げて、いつも以上の冷たい表情で言った。
「どうぞ」
俺は早退した。
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