追われて逃げたというと、留まりたかったのに逃げざるを得なかったというニュアンスだが、
そうではなく、パニクった末の逃走であって、追い詰められて立場を放り出したわけだろう。
そのあと一人になったところで、様々なしがらみを捨てて、吹っ切れた。
身構えない、かっこつけない、ということであり、
それが「無垢」のイメージにつながる。
自分探しというのは「自分を偽る必要のない立場を見つける」ということで、それも「ありのまま」だ。
言っておくが、これはおまえの言うところの「前者」、日本語としての「ありのまま」の話だぜ。
エルサは「ありのまま」なんて言っていない。
エルサが言う「let it go」は、「ありのまま」とは逆に、力を込めることだ。
力を込めてしがらみを吹っ切る、ということだ。
良き王であらねば、良き姉であらねば、魔法を隠さねば、そういう重しをぜんぶ放り投げることだ。
悪く言えばそれは「自棄」「無責任」「独りよがり」だけど、そこを肯定的に捉えるのが「let it go」という言葉なのだ。
そういうことなんじゃないのか。
ノブレスオブリージュからの解放。本当にそれでいいのかは知らない。 権力持った連中が自由にやりだしたらどうなるんだろうね。