なぜ白いのか。
青かったらどうだろう。
赤かったらどうだろう。
いろいろ妄想してみるけれども、やはり白がいちばん理にかなっている。
さんざん考えた末その結論に達した。
白には人間の”気持ち”がこめられている。
よく投手がインタビューで言う「気持ちで投げました」の気持ちと同じ意味。
考えてもみてほしい。
男からは、我慢してしばらくすると透明なものが顔を出し、女からも、本気にならないうちは色のないものがにじみでてくる。
わーすごい、すごい、いとおしい、たべてしまいたい、ああ、異性って、ほんとうにすばらしい。
あるいは、わーすごい、すごい、いとおしい、たべてしまいたい、ああ、自分の手って、ほんとうにすばらしい。
気は最高潮、邪念の一切ない、無私の境地。そんな幸福のさなかで、男も女も大量の白を表現する。
もし色が青や赤だったら、人間のつくりだす美の価値は半減されてしまうかもしれない。
けれども神は神だった。
白はまさに「純」を表すのだから、人間の性的興奮の極致がまじり気のない純粋なものであるという真理を、気持ちの色によって神が啓示してくれたのである。