物語は死んだ。死んでしまったのだ。そして、我々読者が、物語を殺してしまったのだ。
安易な批判が作家を萎縮させ、安直な展開を作家に求め、我々読者は物語を殺してしまったのだ。
作家だけでなく、物語に関わる編纂者まで読者は批判する。
やれ無能だ、やれクビしろなどと、素人が玄人の揚げ足取りをする。
作家に素晴らしさを求める前に、我々読者は素晴らしい読者であっただろうか。
古典に触れ、先人達の知識の深さや想像力を感じただろうか。
そして今、前線に立とうとする作家の力を正しく受け止めているだろうか。
卵を潰すのは容易い。しかし孵し育てるのは難儀なことなのだ。
素晴らしき創作世界のために、素晴らしき受け手でありたいと私は願う。
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