2011-07-06

蟻と自分

寮のごみ捨て場に数匹の蟻がいた。

残飯などの臭いをかぎつけてきたのだろう。

私はそれらを踏みつぶした。

行列となる前に。

これは無益な殺生ではなく、あくまで寮の衛生を守るために必要な行為だ

・・・というのは建前だ。

正直、むしゃくしゃしてやった。

からしてみれば、自分の食いぶちも当然のことながら、巣の仲間たちの為、女王蟻、子供たちのために一生懸命エサを探していたところを、いきなり生を奪われたのだ。なんと理不尽な。

しかもアリクイに食べられるような食物連鎖への組み込みというわけではなく、人間の「感情」という蟻にとって理解の及ばない理由で殺されたのだ。

なんとかわいそうなことか。

翻って、自分はどうだろうか?

なんのために生きている?

会社のため、家族のためと仕事をして生きているが、いつなんどき、自分自分の理解の及ばない理由で人生無茶苦茶に狂わされるかもしれない。それも理不尽な理由で。

そう考えると、自分も蟻と同じなのだ。

自分が踏みつぶした蟻がいなくなっても、彼らの巣には大した影響はないだろう。労働力が多少減ったが、誤差の範囲である

自分も同じだ。仮に自分明日突然死んだとしても、会社にとって大した影響はない。

せいぜい、自分職場の周りの人が自分の業務を無理やりに引き継ぐために残業が普段より多くなる程度のことだ。

自分も蟻もちっぽけな存在なのだ。

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