年に数回、こんなことを考える。
もし自分の命と引き換えに、世界から戦争がなくなり、人を傷つけたり殺したりする者がいなくなり、生まれてきたすべての子どもたちが幸せになれるとしたら……どうする?
しかし、馬鹿げた妄想だ。現実的にあり得ないと思い至ると、ふっと我に返って考えることをやめる。
こんな妄想もよくする。
お母さんの後ろを小さな子どもが歩いている。わたしはその後ろを歩いている。(ここまでは現実)
もしその子がふらりと道路に出て、そこへちょうど車がやってきたら……わたしは飛び出して行ってその子を庇う。
これって、英雄願望なんだろうか。
思えば中学生くらいの頃から、もしかすると小学生の頃からこんなことを考えていた。
もうすぐ三十歳になろうとしているのに、未だに頭にこんな妄想が浮かんでしまう。