2021-09-19

円高自由貿易ハンバーグステーキエビフライの味がする

現代人には想像もつかないかもしれないけれど、俺の育った家での食事のぜいたくは年に2回のファミレスだった。

当時の父の年収は400万円強で、母はパート専業主婦。俺の下に妹が1人いた。

年に2回のボーナスが出ると、夕食はスカイラーク(今でいうガスト)に行く。

俺が注文するのは、必ずハンバーグステーキセット1400円台。

もちろんライスフォーク背中に載せて食べた。

なお、給料日前の夕食は、「ちくわと白米」か「とうふと白米」のヘビーローテだった。

 

うちは確かに貧乏だったが、家族4人で年収400万円+パート特別貧乏な方だというわけではなかったと思う。

小学校給食エビフライが出た日、新任だった担任女教師

「わあ、エビフライだ!」

と、普段は出さなトーンの声ではしゃいだ。

それを聞いて、俺たちは「なるほど、これはエビフライと言うのか」と思った。

そして、またエビフライを食べられる日をみんなで心待ちにしたが、結局、そんな日は小学校卒業するまで来なかった。

1980年代は、そんなものだったのだ。

 

その後、TV毎日牛肉オレンジ輸入自由化」と言うのを聞いたり、共産主義国崩壊したり、1ドルが100円になったりする時代を経て、

俺が自分外食をするようになる頃には、ハンバーグセットはサイゼリアで550円ドリンクバーに居座る騒がしい高校生たちの喧騒を聞きながら食べるものになっていた。

いつか彼らが大人になった頃、彼らが今は滅多に食べられないもの毎日食べられるような日々はやってくるのだろうか。

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