深夜3時だ。外は真っ暗だがあと1時間もすれば陽が上る。ギリギリの時間帯に意識を持っている。
そんな貴重な時間なのに、またいつものように検索ボックスのなかに「はてな匿名ダイアリー」と打ち込んでしまう増田が居た。
お気に入りにしていないのは、せめての抵抗である。
静けさは闇の中で表現されているだけで、画面上の煌々とした光の中では、人々の様々な騒音が鳴り響いている。
何故、増田はこの場所に集まるのか。
誰もが先生と呼ぶ学者がその心理を分析し、小難しい言葉を並べて、偉そうに語っていた。
しかし増田本人にはどうでもいいことだった。
増田はそんなことには興味がなかった。
ただ静かな闇が耐え切れず、明かりを探す蛾のように、今日も増田はこの場へ訪れるのだ。
そう。あなたに増田と呼ばれた日から。それは運命にも似た出会いだった。
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