「そんなの寂しい」子供だったあのころ、そう増田に言ったことがある。
「一人は寂しいものではない。それに、一人のようでたくさん居るんだ。見てごらん。好き放題言っている彼らたちは一人に見えるようで、こうやって誰かに訴えている。画面の向こうの誰かに。それは一人かもしれないけど、孤独ではない」
まだ髪を二つに結んでいたころ、その話はよく分からなかった。しかしなにかの魅力を感じたのも事実だ。
誰も見ていないだろうと思いながら、好きなことを書いた。願わくば増田が見ていてくれたら……、純粋な気持ちは指を動かし、キーボードを叩かせていた。
そしてある日、初めてコメントがついた。
深夜3時だ。外は真っ暗だがあと1時間もすれば陽が上る。ギリギリの時間帯に意識を持っている。 そんな貴重な時間なのに、またいつものように検索ボックスのなかに「はてな匿名ダイ...
増田はいつも一人だと言った。 「そんなの寂しい」子供だったあのころ、そう増田に言ったことがある。 しかし増田はそれを否定した。 「一人は寂しいものではない。それに、一人の...