2016-07-29

http://anond.hatelabo.jp/20160729030508

増田はいつも一人だと言った。

「そんなの寂しい」子供だったあのころ、そう増田に言ったことがある。

しか増田はそれを否定した。

「一人は寂しいものではない。それに、一人のようでたくさん居るんだ。見てごらん。好き放題言っている彼らたちは一人に見えるようで、こうやって誰かに訴えている。画面の向こうの誰かに。それは一人かもしれないけど、孤独ではない」

まだ髪を二つに結んでいたころ、その話はよく分からなかった。しかしなにかの魅力を感じたのも事実だ。

増田に追いつきたい一心アカウントを作った。日記を書いた。

誰も見ていないだろうと思いながら、好きなことを書いた。願わくば増田が見ていてくれたら……、純粋気持ちは指を動かし、キーボードを叩かせていた。

そしてある日、初めてコメントがついた。

「一人じゃ無い」その意味を、初めて知った。あの日は空気が澄んでいて、肺が冷えるような寒い冬の朝だった。

記事への反応 -
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